史料で知る近代化 県文書館で企画展
2009年12月4日(金) 埼玉新聞を抜粋編集
埼玉初の鉄道開通や秩父事件など、明治初年から終戦直後まで約80年間にわたる県内の出来事を記録した「埼玉県行政文書」が6日まで、さいたま市浦和区の県立文書館で公開されている。展示文書約90点のうち約70点は今年7月、国重要文化財に指定。近代化の波に乗り変容を遂げてきた地域基盤や、人々の暮らしぶりを伝えている。
秩父事件(1884年)で秩父困民党を率いた田代栄助の裁判言渡書や、日露戦争(1904~05年)の戦没碑を建立する際の許認可書など、歴史事件の影響を示す数多くの史料が見られる。
地域社会の近代化を象徴する「鉄道」も、展示テーマの一つ。埼玉最初の鉄道開通は1883年、上野―熊谷間の日本鉄道第1区線(現JR高崎線)。2年後に第2区線(現JR宇都宮線)が開通し、分岐点となった大宮周辺が鉄道の町として発展していく様子が文書からうかがえる。