2009年12月25日金曜日

県内撮影4年前の倍 フィルムコミッション活況

県内撮影4年前の倍 フィルムコミッション活況
 2009年12月24日(木)

  映画やドラマなどの撮影を支援するフィルムコミッション(FC)を行う公的団体が県内で増加している。2005年度末までは県や本庄市など4団体だったが、3年半で全国最多の18団体(09年8月現在)に急増。撮影件数も05年度の2倍を超える勢いで伸びており、県民になじみの県内各地の風景がテレビやスクリーンに映し出される機会が増えた。

 FC設立は主に三つの地域効果が期待できる。一つはまちのPRによる集客効果だ。今年4~9月に放映されたNHKドラマ「つばさ」の舞台となった小江戸・川越は、蔵造りの街並みや菓子屋横町といった地域のシンボルの露出度が高まり、観光客が増加。

 もう一つは撮影隊の受け入れなどに伴う経済効果。撮影隊はロケ中の飲み物や弁当は地元で注文する。ロケセット建築費を含めた経済波及効果は大きい。

 三つ目はまちおこし効果だ。普段見過ごしがちな身の回りの風景が映像で取り上げられることで、地域住民が地元を再認識するきっかけになる。またエキストラや撮影支援に住民がボランティアで参加することはまちの活性化にもつながる。

 映像制作会社の関係者に聞くと、景気低迷による制作費圧縮の流れの中で埼玉はロケ地として魅力的という。「都内から日帰り可能で出演者と調整が付けやすい。日常の風景を撮るのに適した場所がたくさんあるし、都市から農村、山間の風景まで多彩なシーンが1日で撮れる」と指摘する。