2009年5月27日水曜日

自然、文化丸ごと活用 見沼田んぼ博物館構想

 2009年5月26日(火)埼玉新聞を抜粋編集

 首都圏近郊に広がる大規模な緑地空間、見沼田んぼ一帯を「見沼歴史・自然博物館(フィールド・ミュージアム)」に-という構想が、NPOや市民の手で進み始めている。見沼田んぼの環境資産を創造する会(村上明夫代表)がさいたま市内で開いた同構想に関する千葉大学名誉教授の田畑貞寿さんの市民講座には約 50人の市民が参加、熱心に耳を傾けた。

 面積約1260ヘクタールの見沼田んぼのフィールド・ミュージアム構想は、東京大学名誉教授の大田堯さんの提案で始まった。さまざまな分野で見沼田んぼとかかわってきた人たちの共感を呼び、同会によると、見沼田んぼ地域を“歴史・文化・環境資産地域”の観点から研究・学習する運動を発展させようという意識が広がっているという。

 田畑さんによると、フィールド・ミュージアムとは「建物の中の展示物を見るのではなく、地域に点在する自然、歴史文化、産業などを活用し、地域(フィールド)全体をミュージアム(博物館)としてとらえる考え方」。大学の研究機関や行政、NPOなどいろいろな団体と地域の人たちとの協働が必要という。

 活動によって地域の意識も変わった。田畑さんは「構想は皆さんが創り上げていくもの」と話した。

 講座では、都留文科大学の学長時代に20年間、フィールド・ミュージアムを手掛けた大田さんも発言。「フィールドは箱ではない。人間関係も自然とのかかわりも密度の濃いもので、セーフティーネットを形成、最終的に自分を知る場の一つとなることを期待したい」と語った。

2009年5月26日火曜日

さいたま市長に清水氏 民主支援で圧勝

 2009年5月25日(月)埼玉新聞を抜粋編集

 任期満了に伴うさいたま市長選は二十四日、投開票が行われ、新人で前県議の清水勇人氏(47)=民主県連支持=が、三選を目指した現職の相川宗一氏 (66)=自民県連、公明県本部推薦=らを破って初当選した。六人が立候補した混戦の中で、辞任した小沢一郎氏に代わり新代表となった鳩山由紀夫代表ら民主党の全面支援を受けた清水氏は「さいたま市からの政権交代を」と訴え、自民党本部や県連の支援を受けた相川氏や、多数の自民党代議士の応援を受けた前衆議院議員中森福代氏(59)らを振り切った。清水氏は全国十八政令市の中で二番目の若さ。

 清水氏は自民を離党後、渡辺喜美衆院議員の政策集団に加わって立候補。民主党の県連支持を得ると、枝野幸男衆院議員が選対本部長に就いて臨んだ。

 選挙戦は民主県連や同党市議団がフル回転した上、渡辺衆院議員や民主党幹部らが相次いで応援に入ってテコ入れ。告示翌日に同党の小沢一郎氏が代表を辞任し、代わった鳩山由紀夫新代表が応援に駆け付けて、浮動票獲得へアピールを強めた。

学生が花畑づくり 「研究」で農家と連携 坂戸市

 2009年5月25日(月)埼玉新聞を抜粋編集

 城西大学(坂戸市)が休耕田対策に悩む地元の農家らの呼び掛けに応じて、同大学生らが休耕田で花や野菜作りに取り組むプロジェクトを進めている。人手不足や高齢化などにより休耕田の荒地化に頭を抱える農家と、農作業を環境や社会学の研究の一環と捉える学校側がタイアップした。地元農家は「田んぼが荒れるよりは大学生の力を借りて、休耕田がお花畑に蘇れば地域の活性化にも繋がる」と効果に期待を寄せている。

 プロジェクトの対象となっているのは坂戸市四日市場と多和目にまたがる農家約50軒分の農地約10ヘクタール。協力しているのは、同大学現代政策学部の石井雅章講師(36)のゼミ(環境社会学)。

 農地の一部を所有する坂戸市の酪農業亀田康好さん(54)や石井講師の話によると、昨年秋に市職員を介して二人が知り合った際、亀田さんが年々休耕田が増えていることや人手不足が深刻化するなど農家の現状を説明したうえ、「学生たちの力を借りたい」と学校側に協力を求めた。

 プロジェクトがまず着手したのは農地の雑草対策。今年3月、約1ヘクタールの休耕田に、雑草を抑止するマメ科の牧草「ヘアリーベッチ」をまいた。そして、お花畑としての景観も良く、食用油や食用スナックにも活用できることから、ヒマワリの栽培を決定。5月12日、約1・2ヘクタールの休耕田に初めてヒマワリの種をまいた。

2009年5月22日金曜日

2009年5月16日土曜日

寄居「男衾(おぶすま)」の地名、後世に 道標設置へ

 2009年5月15日(金)埼玉新聞を抜粋編集

 古代から伝わる「男衾郡(おぶすまごおり)」の地名を後世に伝えていこうと、寄居町の男衾地区の住民たちが木製の道標設置の準備を進めている。労力と智恵、資金を出し合い、今秋にも地区内2カ所に建てる予定だ。

 男衾郡は古代の武蔵国に置かれた20郡の一つ。8郷からなり、武蔵国で一番大きい郡だった。奈良時代の平城京跡からも「男衾郡」の地名が書かれた木簡も出土している。その後、男衾村となったが、戦後に寄居町と合併。「男衾」の名は地名から消え、学校の名前や農協の支店などに使われるだけとなっている。

 この男衾の地にホンダが自動車工場を建設することになったのをきっかけに、この地名を訪れた人たちや若い町民に知ってもらおうと、家屋解体業の瀧澤登さんや会社員の権田孝史さんが中心となって「男衾郡地名保存有志会」を結成。道標を建てることになった。

 道標は2本で、ベイマツの丸太に「武蔵国 男衾郡」と彫る。高さはそれぞれ5メートル、太さは直径60センチほど。資金は寄付。会員たち約10人が、建築業や塗装業など家業の技術も生かして、手弁当で製作している。

2009年5月15日金曜日

ホルモン、豆腐、精肉店… 健闘する特徴店 小川

 2009年5月14日(木)埼玉新聞を抜粋編集

 小川町駅前通り、同駅から徒歩二分の太田ホルモン(太田末吉さん経営)。夜はひっそりとする同町だが、暗闇の中の灯台のようにその一角だけ明るくにぎわっている。うわさを聞きつけ訪れる客に大型連休も太田さんは大忙しだった。

 同じく駅前の有機・豆腐ドーナツなどの手づくり豆腐店「三代目清水屋」(清水洋治さん経営)、ウインナーなどにもこだわり、これを目当てに県外からもファンが足を運ぶコロッケ・ソーセージの精肉店、主人のあだ名がそのまま店名になった「アーチャンの店」(伊藤方久さん経営)、古き良き日本の伝統と小川町の田舎らしさを融合させた温泉施設「花和楽の湯」(新田悟詞さん経営)、小川町産の小麦粉を自家引きで粉にしている手打ちうどん「麺工房かたくり」(埼玉伝統工芸協会経営)など、町内の各店は、この大型連休は大忙しだった。

 その中のひとつ、太田ホルモンの営業時間は夕方の午後五時から十一時。東松山のヤキトリと比べるとこってり感はなく、さらさらとした「辛いタレ」が特徴だ。このタレに病み付きになるリピーターが多い。お店は「ワイザツでレトロな雰囲気」、千円札数枚でたっぷり食べて飲める店と評判を呼び、早めに場所を取らないと店内に入れない。混雑時は店の前でもビールを飲むお客も。

 特徴を伸ばし、良さをきちんと伝える努力をする。街の観光資源は、案外、身近にあるのかも。

2009年5月14日木曜日

埼玉県の地図



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『埼玉NPOつうしん』 Vol.38(20090401) 「武蔵観研」を紹介

【PDF】『埼玉NPOつうしん』 Vol.38(20090401) 「武蔵観研」を紹介

2009年5月13日水曜日

2009年5月5日火曜日

2009年5月4日月曜日

川越観光の問題点 埼玉県ユニバーサルデザイン

埼玉県 観光のユニバーサルデザイン埼玉県県民生活部文化振興課
ユニバーサルデザイン担当


喜多院
現状
●本殿階段のスロープは、車いす利用者には急勾配すぎる。
●案内板が小さく、マップも欲しい。
●車いす対応トイレがない。
●境内の地面、砂利がデコボコしてやや歩きづらい。
●雨の日には境内の電話ボックスの周囲が水びたしとなる。
●北側の坂道が水びたしとなる。
●駐車場に障害者用スペースがない。
●外部だけの観光は良いが、内部観覧などは障害者には大変。
●境内での休憩スペース、ベンチなどが少ない。
●本殿への階段に手すりがあるのはうれしい。
●拝観券売場の案内がわかりづらい。

改善案
●スロープの勾配、設置の再検討を。
●わかりやすい案内図と、点字案内/音声案内があると良い。
●車いす対応トイレの設置を。
●境内の土部分の整備が必要。
●境内道路の排水計画を考える。
●駐車場に障害者用スペースを確保する。
●内部観覧への障害者対応を考慮する。
●茶店付近でもこしかけなどは座りにくく、ひさしもないので、デザインを考える。
●石畳と土部分など段差解消を再検討。
●拝観券売場案内の明示を。

大正浪漫夢通り
現状
●大正のイメージが薄い。
●通りはUDになっていても、店舗内はUDになっていない。
●店先駐車があって、歩行しづらい。
●全体としてインパクトが希薄。

改善案
●各店舗の看板を右書きにするなど統一する。
●マーケット、軒先空間を作ってにぎわいを演出し、車の通行を抑える。
●通りも店内も、もっと大正の色を前面に打ち出す。
●曜日、時間帯による車の規制なども考慮する。
●近くの観光案内所のレイアウト、デザインを再検討。

蔵の町通り
現状
●交通量の多さが町歩き観光を妨げているのが気になる。
●歩道のアップダウンが多く勾配もあり、歩きづらい。
●段差がまだ多いので、散策しにくい。
●雨の日の水たまりが気になる。
●景観を考えたデザイン、色づかいなど工夫されていて良い。

改善案
●根本的な車対策が必要だと思う。
●立ち止まって蔵通りを眺めたりするスポットを作ったり、案内したら良い。
●パンフレットなど資料のサイズ統一や、各店等の更なる資料の充実を祈りたい。
●標識の適切な配置は好感がもてる。
●道路脇の排水をより整備する(グレーチングの採用)。
●店と道路の間をスロープに。


菓子屋横丁
現状
●全体としてよく整備されている。
●せっかくの店構えなのに、自動販売機が統一感をそこなっている。
改善案
●「多目的トイレ」という表示の仕方はとても良いと思う。
●英文パンフレットを完備したら良い。
●障害者無料などの案内を、受付やパンフレットに記載。
●絵文字による表示も良い。

まつり会館
現状
●最新施設だけにUDに配慮された設備が素晴らしい。
●階段を少なくし、手すりを広く設置してあるので歩きやすい。
●各セクションの自動扉にブース名が書いてあると良い。

改善案
●「多目的トイレ」という表示の仕方はとても良いと思う。
●英文パンフレットを完備したら良い。
●障害者無料などの案内を、受付やパンフレットに記載。
●絵文字による表示も良い。

その他
改善案
★全体として「生活・暮し」と「観光」の融和が課題である。

2009年5月3日日曜日

「つばさ」セット展示 鏡山酒造跡地を再利用 川越

 2009年5月2日(土)埼玉新聞
 
 明治から平成にかけて約百二十年間にわたり川越市内で酒造りに携わった旧鏡山酒造の建物を修復し、NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」のスタジオセットを展示したり、川越をはじめ県内の土産品を一堂に集めたショップや観光案内所などを置いた「鏡山酒造跡地」(川越市新富町一丁目)が二日、暫定オープンする。

 廃業した鏡山酒造の跡地を市が購入。市内の観光スポットの一つとして活用事業を進めており、来年四月をめどに市から運営を委託された指定管理者が開業する予定。既に修復工事が完了したことから、市が来年三月まで暫定的にスペースを活用する。

 建物は木造平屋約千二百平方メートル。明治から昭和にかけての三時代に建てられた三つの蔵を活用し、明治蔵を観光物産スペースと位置付け、観光案内所と土産品ショップのほか、川越市内の地場産野菜を販売する「小江戸川越伊佐沼農産物直売所」などを開設。大正蔵は演劇や演奏などのイベントスペースとして提供する。昭和蔵では朝ドラ「つばさ」のスタジオセットのほか、プロモーションビデオを放映する。

 鏡山酒造は新潟県出身の竹内栄吉が一八七五(明治八)年に創業した。近江商人が製造販売していた清酒「鏡山」を引き継いで製造。この酒は一時、日本の航空会社のファーストクラスで振る舞われていたという。

 経営者が亡くなったため、二〇〇〇年に廃業。土地建物は不動産会社に売却され、マンションの建設計画が進んでいたが、「市内唯一の老舗酒蔵を保存活用してほしい」などと市民からの要望を受けて、市は翌年、約十億円で購入。歴史的な建物を活用した観光客の集まる飲食と物販のスポットにしようと、五億円を投入して建物を修復するなど事業計画を進めていた。

 同市は「鏡山酒造跡地は西武線本川越駅から近いので、観光めぐりのスタートポイントとしても利用できる。つばさのセットなど川越の歴史を生かした展示物をそろえたのでぜひ足を運んでほしい」と話している。

 入場無料。営業時間は午前九時から午後五時。ただし、明治蔵の施設は午前十時から営業し、毎週水曜日は休館。

 問い合わせは同市中心市街地活性化推進室(TEL049・224・5936)へ。