2009年5月3日日曜日

「つばさ」セット展示 鏡山酒造跡地を再利用 川越

 2009年5月2日(土)埼玉新聞
 
 明治から平成にかけて約百二十年間にわたり川越市内で酒造りに携わった旧鏡山酒造の建物を修復し、NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」のスタジオセットを展示したり、川越をはじめ県内の土産品を一堂に集めたショップや観光案内所などを置いた「鏡山酒造跡地」(川越市新富町一丁目)が二日、暫定オープンする。

 廃業した鏡山酒造の跡地を市が購入。市内の観光スポットの一つとして活用事業を進めており、来年四月をめどに市から運営を委託された指定管理者が開業する予定。既に修復工事が完了したことから、市が来年三月まで暫定的にスペースを活用する。

 建物は木造平屋約千二百平方メートル。明治から昭和にかけての三時代に建てられた三つの蔵を活用し、明治蔵を観光物産スペースと位置付け、観光案内所と土産品ショップのほか、川越市内の地場産野菜を販売する「小江戸川越伊佐沼農産物直売所」などを開設。大正蔵は演劇や演奏などのイベントスペースとして提供する。昭和蔵では朝ドラ「つばさ」のスタジオセットのほか、プロモーションビデオを放映する。

 鏡山酒造は新潟県出身の竹内栄吉が一八七五(明治八)年に創業した。近江商人が製造販売していた清酒「鏡山」を引き継いで製造。この酒は一時、日本の航空会社のファーストクラスで振る舞われていたという。

 経営者が亡くなったため、二〇〇〇年に廃業。土地建物は不動産会社に売却され、マンションの建設計画が進んでいたが、「市内唯一の老舗酒蔵を保存活用してほしい」などと市民からの要望を受けて、市は翌年、約十億円で購入。歴史的な建物を活用した観光客の集まる飲食と物販のスポットにしようと、五億円を投入して建物を修復するなど事業計画を進めていた。

 同市は「鏡山酒造跡地は西武線本川越駅から近いので、観光めぐりのスタートポイントとしても利用できる。つばさのセットなど川越の歴史を生かした展示物をそろえたのでぜひ足を運んでほしい」と話している。

 入場無料。営業時間は午前九時から午後五時。ただし、明治蔵の施設は午前十時から営業し、毎週水曜日は休館。

 問い合わせは同市中心市街地活性化推進室(TEL049・224・5936)へ。