2010年1月30日土曜日

埼玉地酒 じわり人気 出荷量伸び全国一 

埼玉地酒 じわり人気 出荷量伸び全国一 
2010年1月29日 読売新聞を抜粋編集

 “埼玉地酒”の人気がじわじわと広がっている。昨年1~9月の全国の清酒出荷量が4・4%減と振るわない中、埼玉は2・2%増と全国トップの伸び率を記録した。むろん量そのものでは、兵庫、京都といった上位陣に大きく水をあけられている。県内に35ある酒蔵は、創業200~300年と歴史のある酒蔵も多い。県や酒造組合は知名度アップに懸命だ。

 県内は、利根川と荒川の豊かな伏流水に恵まれ、古くから酒造りが盛んな土地柄。環境省が2008年6月に発表した「平成の名水百選」でも全国最多の4か所が選定され、「県内の水は軟水で口当たりの良いまろやかな酒ができる」(県酒造組合)という。

 県産の日本酒は、酒類総合研究所主催「全国新酒鑑評会」でも好調で、08年は出品12点のうち8点が金賞、受賞率66・7%は全国平均26・6%を大幅に上回った。09年も5点が受賞した。

 県農林総合研究センターが開発し、03年から作付けが始まった県独自の酒米「さけ武蔵」の評判も上々で、現在は17蔵が使用し、作付面積が広がっている。

 県の08年度の出荷量(課税移出数量)は約1万9689キロ・リットルで全国7位。全国平均を上回る伸び率で、06年度の8位から順位を上げ、6位の千葉にも肉薄。一方の消費量も全国5位で、埼玉は“隠れた酒所”だ。

 とは言え、兵庫(約19万5234キロ・リットル)、京都(10万8991キロ・リットル)、新潟(4万8297キロ・リットル)のトップ3には遠く及ばないのが現状。

 県は08年1月、「地酒で乾杯」を合言葉に「埼玉地酒応援団」を結成。上田知事が顧問を務め、各種会合などでPRに努めている。130人だった団員は470人にまで増え、応援団のホームページでは地酒が飲める店の紹介も行う。