ご神木に接ぎ木 坂戸・土屋神社
2010年3月24日 読売新聞を抜粋編集
樹齢1000年余とされる坂戸市浅羽野の県天然記念物「土屋神社神木スギ」を後世に残すため、接ぎ木で育てた苗木が境内に植えられることになった。相次ぐ台風被害や火災で損傷が著しく、“延命治療”が続く老木。地元で慕われる「ご神木」の後継ぎをと、市が2年前、金沢・兼六園の名木復活を手がけた茨城県の研究機関に依頼していた。順調に育った苗木6本が間もなく届く予定だ。
市教委などによると、神木スギは土屋神社裏にある7世紀初頭の円墳のほぼ上に立つ。幹回り8・5メートル、高さは約28メートルあり、1948年に県の天然記念物に指定された。
しかし度重なる落雷や強風に加え、96年には不審火とみられる火災で幹内部が焼けた。さらに、2007年9月の台風と08年2月の強風で、直径数十センチの大枝が何本も折れた。枝の大半は白い木肌がむき出し、補強するために施された鉄柱3本やワイヤが痛々しく映る。
研究所は、神木スギから取った長さ約5センチの小枝を別のスギの台木に接ぎ木。高さ50~60センチになった苗木6本が近く届く運びで、26日に境内に植える予定だ。