埼玉県の地酒が人気上昇中
2010.3.1 産経新聞を抜粋編集
日本酒離れが進む中で、埼玉県産の日本酒の出荷量が平成20、21年と2年連続で前年を上回った。県酒造組合によると、21年(1~12月)の県の日本酒出荷量(課税移出数量)は約1万9671キロリットル。前年比0・3%増のほぼ横ばいとはいえ、山梨県、山口県に続き全国3番目の伸び。全国平均が4ポイント以上落ち込む中で健闘している。
利根川と荒川の豊かな伏流水に恵まれる埼玉県では、古くから日本酒が作られてきた。日本酒の新酒の品評会「全国新酒鑑評会」(酒類総合研究所)では、出品する酒の入賞率が全国水準より高く、県酒造組合の岸和雄事務局長は「県内の酒蔵の技術力は確か」と強調する。県内35の酒蔵で「それぞれの全く異なる個性を味わえる」(岸さん)のも魅力という。
酒造組合は、35蔵の酒を一度に味わえる「埼玉35蔵大試飲会」を17年から毎年1回開催。昨年10月には、県内外から1700人が参加する一大イベントになった。昨年1月には、上田清司知事を中心に埼玉の地酒を県内外に情報発信する「埼玉地酒応援団」が発足。団員の紹介でテレビや新聞に取り上げられ、埼玉の地酒の知名度は徐々に高まり始めた。