川越駅前施設建設:県と市が対立 遅れ必至
毎日新聞を抜粋編集 2010年2月10日
川越駅西口前に建設し、12年秋に開業予定だった「西部地域振興ふれあい拠点施設」(仮称)の建設方法を巡って、県と川越市の意見が対立している。県が先月、合意していた「PFI方式」からの変更を申し出たことに、市は「03年ごろから話し合ってきたことを突然変更するのは納得できない」と反発。双方とも来年度予算でのPFIの関連費用の計上を見送り、開業が遅れるのは必至だ。
老朽化した県の地方庁舎や川越市民会館に替わる施設として、県と市が協力して建設する計画。県と市が計約296億円(08~32年度)を負担し、県が約1万2000平方メートル、市が約1万3000平方メートル、民間施設が約2万平方メートルそれぞれ入居する。県が「初期投資が少なくて済み、コストも下がる」と「PFI方式」での建設を提案、これに基づく協定を07年度に交わした。
PFIは、公共団体の計画で民間業者が建設し、完成後も運営する。99年に法整備され、本格的に導入されるようになった。
入札は08年に2度行った。最初は応募がなく、2回目に1企業グループが応札した。だが昨年6月にこのグループの中心企業が不祥事で指名停止処分となり、振り出しに戻ってしまった。
県は「複数の大手ゼネコンに打診したが、不況で、負担が大きいPFIの公募に応じてくれる企業はなさそう」と判断。通常の入札方式への変更を1月に市に持ち掛けた。だが、市は「突然の方針転換には応じられない。再度、PFIで入札すべきだ。それで不調なら別の方法を検討する」と計画変更に応じていない。このため県は新年度当初予算案への設計費の計上を断念。市も同様に予算化を見送る方針だ。