のらぼう菜:新商品続々 比企地域の伝統野菜
2010年2月17日 毎日新聞を抜粋編集
5年前に復活した比企地域の伝統野菜「のらぼう菜」が、この地域の春のグルメの定番に成長している。栽培農家が増え、収穫量が約20倍になるのにつれて、のらぼう菜を使った新商品が続々登場。農業と商業が一体となり町活性化にも一役買っている。
のらぼう菜はアブラナ科の一種で、収穫時期は3~4月。甘みがあり、菜花類のような苦みや癖がないのが特徴だ。ビタミンCはホウレンソウの2倍と栄養価も高く、おひたしや天ぷら、炒め物にもよく合うという。
寒さにも強く育てやすいことから、江戸時代に比企地域の農家が自家消費用に栽培していた。「天明・天保の飢饉(ききん)を救った野菜」と知られている。
早くから商品開発に参加している小川町の「村田製菓店」の村田安夫さん(65)は「のらぼう菜を通じて異業種の人とも知り合いになれ、地域に一体感が生まれた。このつながりがもっと広がると思うとうれしい」と話し、さらなる商品開発に意欲満々。小川町商工会の小松仁さん(36)は「これまで小川町だけでの食べ歩きマップを作っていたが、ときがわ、嵐山町が加わったことで、マップを作り直さなければいけない」と話しつつ、うれしそうだ。