2009年4月16日(木)
広島の原爆を描いた「原爆の図」を共同制作した水墨画家の丸木位里さんと、油彩画家の丸木俊さん夫妻が建てた東松山市下唐子の原爆の図丸木美術館が五月、四十二周年の開館記念日を迎える。美術館は存続の危機などもあったが、これらを乗り越え、今でも年間一万五千人が訪れている。同月五日にはイベントを実施する。
四一年に結婚した二人は四五年、原爆が落とされると真っ先に広島へ。体験を多くの人に伝えようと四八年夏ごろから原爆の図を描き始めた。三十年かけて十五部を完成させた。それぞれのサイズは高さ一・八メートル、横七・二メートル。等身大から生々しさが伝わってくる。これまでに二十カ国以上の人たちに作品を通して悲惨さを語ってきた。
生前の丸木夫妻は気さくに多くの人と接し、その人柄にひかれてやって来た人もいた。母屋には俊さんの姪で絵本作家の丸木ひさ子さん夫妻が暮らしている。