2010年5月11日火曜日

直実のすべて一冊に 国重文資料など網羅 熊谷市立図書館

 2010年5月11日(火) 埼玉新聞を抜粋編集

 熊谷市立熊谷図書館(平井隆館長)は「郷土の雄 熊谷次郎直実」を刊行した。武士としての直実、出家後の蓮生(れんせい)法師にまつわる全国の資料をカラー写真で紹介。直実に関する講演会の講義録や昔話まで網羅した、直実に関する資料集の決定版というべき内容だ。

 2008年秋の企画展で展示した資料を中心に約70点をカラーで掲載。法然上人が蓮生に授けたとされる「迎接曼荼羅図(こうしょうまんだらず)」(京都・清涼寺蔵)や熊谷家文書(ともに国指定重要文化財)など、歴史的に価値がある資料も含まれている。また、企画展でも公開されなかった熊谷の熊谷寺所蔵の蓮生法師自刻像や熊谷氏系図の写真も掲載されており、研究者の関心を呼びそうだ。

 熊谷直実は熊谷で生まれ育った武蔵武士。源平の合戦を戦い、平敦盛を打つなど武勲を挙げる。後に出家して蓮生法師を名乗り、全国の寺に事跡を残している。「平家物語」や歌舞伎などでもおなじみの人物だ。この本では、全国各地にある蓮生ゆかりの寺院の縁起、文芸作品の中の直実、各地に伝わる伝承なども取り上げている。

 編集を担当した学芸員の大井教寛さんは「直実・蓮生にかかわる寺は全国にあり、そこでは今でも“生きている”存在だ。お坊さんとして人々を救おうとした生き方は、現代の人たちにも参考になるのではないか」と話していた。

 355ページ。1冊1000円で、熊谷市内の図書館と熊谷市仲町の八木橋百貨店で有償頒布している。

 問い合わせは熊谷図書館(048・525・4551)へ。