2009年7月26日日曜日

川越市が高齢者虐待対応マニュアル作成

2009.7.17 産経新聞を抜粋編集

埼玉県川越市富士見で5月、認知症の高齢女性が息子に虐待され、息子は傷害の罪で起訴、女性は間もなく死亡した事件を受け、市が強制的に屋内に立ち入ることを盛り込んだ虐待対応マニュアルを作成したことが17日、関係者への取材で分かった。ただ、立ち入りできる場合の具体例は示されておらず、高齢者宅を実際に訪問する現場職員らからは「不十分」との声が挙がっている。

起訴状によると、畔柳裕被告(47)は5月6日ごろ、自宅で認知症の実母、伸さん=当時(74)=をけり肋骨(ろつこつ)を折ったなどされる。

市は、伸さんが虐待されている可能性があるとの通報を受け、畔柳被告宅を2度訪問。しかし、畔柳被告に「個人的な部分に入ると訴えるぞ」と言われ、屋内にいた伸さんに会うことを拒否されていた。

「屋内に立ち入っていれば、悲劇は防げたかもしれない」との声が挙がり、市は事件後約1カ月でマニュアルを作成した。

マニュアルでは、屋内に立ち入ることができる場合を、「最終的に高齢者を救出しなければならないとき」などとしている。市は「立ち入りについて明記した意義は大きい」と話す。

しかし、マニュアルは、訪問を拒否されてから立ち入りを実施するまでの具体的な対応が十分に記されていない。また、現場職員は「虐待が確実にあると言い切れないときは、どうすればいいのか」と困惑を隠さない。