2008年12月24日(水)埼玉新聞を抜粋編集
川越市を中心舞台にしたNHK朝の連続テレビ小説「つばさ」が来年三月三十日から放映されるのに合わせ、川越市が、中心市街地に位置する約三千平方メートルの鏡山酒造跡地を利用した集客施設として観光・情報拠点づくりを進めている。
埼玉りそな産業協力財団は、九月二十六日まで放映予定の「つばさ」による県内経済波及効果を二百二十億円と試算。同市の年間観光客数は、二〇〇八年の推計六百五十万人から二百五十万人(38・5%)増の九百万人と見込んでおり、同市中心市街地活性化推進室は「川越市にとって大きなチャンス。何とか生かさなくては」と、来年に向け並々ならぬ意気込みを見せている。
川越市新富町一丁目に位置する鏡山酒造跡地は、同市で最もにぎわう繁華街のひとつ「クレアモール」沿いにあり、西武新宿線本川越駅から二百メートルという利便性が特徴。二〇〇〇年九月末で酒造りの幕を閉じたものの、明治八年創業の酒造敷地内には「明治蔵」「大正蔵」「昭和蔵」をはじめ歴史的な木造建物が並び、“蔵のまち川越”の景観は十分。現在、三つの蔵を中心に改修が進んでいる。
約二千三百平方メートルある建物群の広大な延べ床面積を利用し、観光案内や展示などの集客スペース設置を検討している。鏡山酒造跡地は、「つばさ」の主舞台となる一番街と各駅の中間にあり、観光客に通り道で関連ロケ地や飲食店などの情報を提供するのが狙い。また、「つばさ」を中心に、これまで四十年間に七十九作品放送された連続テレビ小説の各舞台も写真などで紹介する予定だ。