2009年6月9日火曜日

川越の「蔵造りの町並み」 「歩行危険」77%  ホコ天66%賛成

2009年6月5日 読売新聞を抜粋編集

 観光客らによる車の往来が激しい川越市の「蔵造りの町並み」の周辺住民を対象に、市と埼玉大学が共同でアンケートを実施したところ、約8割が危険だと感じ、約7割が歩行者天国の導入を望んでいることがわかった。結果を踏まえ、市は今秋、一方通行や歩行者天国を取り入れた交通社会実験を実施する。

 同市仲町~札の辻(元町)まで南北約400メートルの「蔵造りの町並み(一番街)」には、江戸、明治期から続く蔵造りの商家や時の鐘があり、観光客の人気スポットになっている。週末には車がどっと押し寄せ、一番街や周辺の道路は交通渋滞に見舞われる。

 アンケートは今年2~3月、一番街の周辺住民6077世帯を対象に行い、2338世帯(38・5%)が回答した。その結果、車の往来が激しく、歩行者にとって「危険」「やや危険」と感じる人は計76・8%、歩いての横断が「しにくい」「ややしにくい」との回答も計73・1%に上った。

 打開策として最も賛成が多かったのは「休日のみ日中を歩行者天国にする」で、「賛成」「条件付き賛成」が計66・3%を占めた。条件は「周辺道路が混雑しないこと」「バス停を便利な場所に移すこと」など。

 また、一番街を訪れた観光客へのアンケート(昨年11月実施、有効回答271人)では、「休日のみ日中を歩行者天国にする」(賛成55・4%)、「平日は終日一方通行。休日はこれに加え日中を歩行者天国にする」(同32・1%)など改善を望む声が目立った。

 これらの結果を踏まえ、市は今年11月、一番街で交通社会実験を実施。北から南への一方通行を終日行うほか、土日祝日はさらに午前10時~午後4時に歩行者天国を取り入れる。