2009年3月13日金曜日

蓮馨寺(れんけいじ)、吉ケ谷遺跡竪穴住居跡な 県指定文化財

 2009年3月12日(木)埼玉新聞を抜粋編集
 
 県教委は十一日、川越市の蓮馨寺所蔵の古文書「蓮馨寺日鑑」など五件を新たに県指定文化財に指定した。

 蓮馨寺日鑑は、江戸時代中期から後期にかけて書かれた同寺の公用日誌で、計七十冊にわたる。浄土宗の学問所「檀林」の一つとして関東の有力寺院だった蓮馨寺と末寺との本末関係や、当時の川越藩の門前町の様子などが記されている。

 吉ケ谷遺跡竪穴住居跡(東松山市)から発掘された出土品二十三点は、比企地方の後期弥生時代研究の発端となった考古史料。甕(かめ)形、壷(つぼ)形など土器の主だった器種がそろっており、考古学史で土器の形式を設定する際の基準史料ともなっている。

 無形民俗文化財には、椋神社と秩父神社(ともに秩父市)の御田植祭が指定された。春の農作業に先立ち、境内を水田に見立てて稲作作業を再現し、豊作を祈願する行事。

 県内百四件目の指定史跡になったのは、本庄市の宥勝寺裏埴輪窯跡(ゆうしょうじうらはにわかまあと)とその出土埴輪(はにわ)四点。本庄台地の丘陵斜面に位置し、五基の登り窯が確認されている。県内で埴輪窯跡が確認されたのは鴻巣市に次いで二例目。未発掘のまま保存されているため状態が良く、後期古墳時代の埴輪製造を示す貴重な史料だという。