2009年3月11日水曜日

見沼田んぼの未来語る さいたまでフォーラム

 2009年3月9日(月)埼玉新聞を抜粋編集

 さいたま市と川口市にまたがる見沼たんぼ(約千二百六十㌶)の将来を展望する市民フォーラムが五日、さいたま市の埼玉会館で開かれ、現状と課題を踏まえた「見沼100年ビジョン」へ十七の提案がまとまった。地権者や生産者、市民団体などでつくる「見沼100年ビジョン有識者会議」が主催。約八十人の市民らが参加した。

 見沼たんぼは、首都圏の貴重な大規模緑地帯と広大な遊水機能を有し、国土交通省の「保全すべき首都圏の緑地」に選定。しかし近年は農家の高齢化や後継者不足に伴い、耕作放棄地が増加。ごみの不法投棄も増え、市民の癒やしと農業の安定化を図る新たな田園都市空間としての創造が求められている。

 同会議は、地元農家らと意見交換しながら環境保全と地域経済の活性化を両立させる新たな施策を模索。昨年八月末から続く八回の協議を経て今回の提案書にこぎ着けた。

 提案書は「農業振興」「環境」「地域振興」の三分野にかかる施策を短、中、長期計画に振り分け、具体的な十七提案を盛り込んだ。大規模な直売所とともに一般市民向けの体験農園を備えた田んぼの駅(道の駅)設置や、見沼通船掘などの文化遺産を活用した観光事業の確立、見沼たんぼを一望できる展望台の整備といった提案も。

 一方で、農業の基盤強化に目を向けた農地整備推進機構の設置、環境に力点を置いた食農教育の推進、芝川再生プロジェクトといったものもあり、横断的に見沼の将来を展望している。

 同会議は、県や市に提案書を提出。座長を務めた平修久・聖学院大政治経済学部教授は「見沼たんぼはさいたま市はもちろん、首都圏の中で大きな財産。それを守っている農家の方々を支える仕組みが必要だ」と、実態に即した行政支援を訴えた。