かれんな花を咲かせ、見ごろとなっているチダケサシ=入間市宮寺の大谷戸湿地
2008年7月15日(火)、埼玉新聞
入間市宮寺のさいたま緑の森博物館付近にある大谷戸湿地に群生しているユキノシタ科のチダケサシがかれんに咲き、訪れる人々の目を楽しませている。
チダケサシは高さ三十~八十センチの多年草。茎や葉柄には褐色の長い毛があり、茎の上部に細長い円錐花序を出し、淡いピンク色の〇・五ミリぐ らいの小花を多数付けている。
名前の由来は食用キノコのチダケを採って、この草の茎に刺して持ち帰ったからとか。山地の湿った場所を好むチダケサシは湿地の減少や開発の影響で、今は狭山丘陵でもここでしか咲かなくなったという。
甘い香りを漂わせるチダケサシにはヒョウモンチョウやハナバチなどの昆虫が蜜を求めて集まり、にぎやか。同博物館スタッフの岡部賢助さんは「あと一週間くらいが見ごろ」と話している。