2008年7月18日金曜日

金メダル500個突破 日高のサイボクハム

「おかげさまで金メダル500個を超えることができた」と喜ぶ笹崎静雄社長=日高市の埼玉種畜牧場本社

2008年7月17日(木)、埼玉新聞

「サイボクハム」で知られる埼玉種畜牧場(笹崎静雄社長、日高市下大谷沢)が今年の国際食品コンテスト で、金メダルを二十一個獲得し、合計五百十九個と念願の五百個を達成した。一九九七年十月、オランダの国際食品競技会に初出品して以来、わずか十一年で達 成。同社の精肉、ハム、ソーセージと関連する調理食品が国際的にも一流の製品であることが名実ともに認められた。笹崎社長は「最高の評価を受けてうれし い。次は千個の金メダルを目指したい」とあくまでも品質にこだわる闘志を燃やしていた。

 サイボクハムは、一九一六年に長野県の農家の二男に生まれた現会長の笹崎龍雄氏が四六年、現在地に興した。養豚一筋の人生で、九十一歳になった今も現役で、毎日、精力的に勤務し、執筆、講演をこなす。健康の秘訣は「サイボクの豚肉と天然温泉」と自負する。

 ここへ来るまでに、おいしい豚肉を生産する最高資質の種豚の輸入と育種改良を重ね、欧米の養豚先進諸国を毎年訪れるなど血のにじむような努力をしてき た。その結果、七五年、赤身と脂肪のバランスが良く、柔らかくてコクのある豚肉のうまみが味わえる「ゴールデンポーク」を生み出し、ミートショップ開店で 隆盛を迎えた。

 ドイツやデンマークで金メダルを飾ってある豚肉の店は商品がおいしく、絶対つぶれないという話を聞き、「サイボクももらおう」と九七年、オランダで開かれた国際食肉プロフェッショナル競技会にハム・ソーセージを初めて出品、高い評価を得た。

 笹崎社長は「世界品質を目指して、未知への挑戦に奮い立つ想いを胸にコンテスト会場に足を踏み入れたことが懐かしく思い出される」と振り返る。会長の長 男、笹崎社長は、七一年日大農獣医卒後、埼玉種畜牧場に入社。七五年企画室長、八五年専務営業本部長を経て、〇一年六月、龍雄氏が会長に退いて、社長に就 任した。

 サイボクハムは九九年からは世界最古、最大規模を誇り、最も権威あるドイツ農業協会(DLG)の国際食品品質競技会へ毎年エントリーしている。プロの目 と科学の目による審査の厳しさは世界食品コンテストのお手本となっており、欧州プロ職人の“憧れの競技会”といわれているが、サイボクハムは金メダルを毎 年十数個~三十数個獲得している。

 〇五年にはDLGのブッシェ総裁や食品審査委員長一行が同社を視察、笹崎社長が金メダルを直接授与される栄誉を受けた。同社長は「これからもサイボク一同が一層の精進を重ね、美味・新鮮・安心の製品づくりにまい進したい」と決意を語っている。