2010年8月18日水曜日

「川の国埼玉」PRに躍起  県がマスコミ向け取材手引

2010年8月18日 読売新聞を抜粋編集

 県土に個性が乏しいと評され観光振興に苦戦する埼玉で、川の存在に着目した新たな情報発信の取り組みが始まった。県は17日、「川の国 埼玉」と銘打ち、川に関係した観光名所や祭り、都市部での河川浄化運動などの情報をまとめたガイドブックを、報道各社に配布した。取材の手引に活用してもらい、特集などを組んでもらうことを狙ったものだが、果たして期待通りに運ぶだろうか。

 埼玉の川といえば、荒川や入間川などがすぐに思い浮かぶが、実は、県土に占める河川面積の割合が3・9%で日本一。県は以前から「川の国」の愛称でPRしてきたが、効果ははかばかしくなかった。そこで、マスコミの関心をひくのが早道と、取材に便利なガイドブックを作成した。

 ガイドブックはA4判84ページで、自由に使用できる写真データ入りのCD―ROMも付けた。川に関係した観光名所や祭りは、長瀞町のライン下りや小鹿野町の丸神の滝など122件を紹介し、連絡先の一覧もリスト化。さらに、住民が中心となり、汚濁した川にせせらぎを再生させた21件の活動概要も「おすすめネタ帳」として掲載した。

 こうしたガイドブックの構成は、観光とドキュメンタリーの双方の取材ニーズに対応することを考えてのことだ。

 特に、川再生の活動紹介には、東京のベッドタウンとしての印象が強く、住民同士のつながりが希薄化していると思われがちな埼玉で、地域コミュニティーの充実をアピールする狙いもあるという。