2010年4月6日火曜日

自転車道700キロ整備へ 県が「ぐるっと埼玉」構想

2010年4月6日(火) 埼玉新聞を抜粋編集 

自転車保有率日本一という埼玉の特性を生かし、県は本年度から国道や県道沿いに自転車道を整備する「ぐるっと埼玉サイクルネットワーク構想」に着手する。将来的に各所を結ぶ約700キロの県内周遊ルートなどを整える計画だ。10月には熊谷スポーツ文化公園周辺でサイクリング・フェスティバルを開催し、自転車利用の機運を高めていく。

日常生活の移動手段として活用される自転車は近年、スポーツ・レクリエーションや環境に優しい乗り物として利用ニーズが高まっている。エコ対策として「自転車通勤」が勧められているほか、県内には観光スポットが近距離に点在するため、渋滞する自動車を避けて自転車で〝名所巡り〟を行う観光スタイルも広がりを見せている。

サイクル構想は「交通安全」の視点に加え、自転車を活用した「健康増進」や「観光振興」が狙い。社団法人自転車協会の調べで、埼玉の自転車保有台数(2008年)は約543万6千台で全国トップ。人口比に換算した保有率(76・9%)でも最も高い。

現在、県中央部の「荒川自転車道」や県北東部の県境を走る「利根川自転車道」「江戸川自転車道」など、構想700キロのうち320キロが整備されている。それらをつなぐ残り380キロのルートを段階的に整え、将来的には秩父地域まで延ばす計画だ。

まずは09年度補正予算と10年度予算の計約1億7千万円で計11路線(計約16・5キロ)を整備する予定。主な道路は荒川自転車道の終点と武蔵丘陵森林公園をつなぐ県道区間(東松山市―滑川町)、今月中旬に自転車道が開通予定の国道254号富士見―川越間と荒川自転車道を結ぶ国道463号区間(志木市)など。