2011年3月6日日曜日

協同商事、シンガポールにCOEDO (コエド) ビールを輸出

3月1日 NNA.ASIAを抜粋編集

協同商事は、4月からシンガポールに「COEDO (コエド) ビール」を輸出する。高級志向のレストランへの卸売販売のほか、日系スーパーなどでの小売販売も計画している。

協同商事の朝霧重治社長はNNAに対して「これまで米国とオーストラリアにビールを輸出しており、昨年11月には中国進出を果たした。東南アジア市場への進出は常に念頭にあった。シンガポールは日本食の人気も高いほか、日本へのイメージも良好であること、また比較的所得層の高い世帯が多いことなどから、進出を決めた」と説明した。

同社は、特定地域において限定量生産するクラフトビール「COEDO」を2006年から販売。07年には「モンドセレクション」のビール部門で、5種類すべての商品が受賞を果たした実績がある。シンガポールでは販売チャネルを絞って、高級志向で販売を展開する計画だ。「和食に限定しないで飲食店に卸販売するほか、明治屋や伊勢丹など日系スーパーをはじめ地元の高級スーパーでも小口販売する」(朝霧社長)。

海外進出の背景には、日本国内のビール市場縮小がある。国税庁の直近の全国統計によると、日本国内におけるビールの平均販売数量が平成6年をピーク(705万7,000キロリットル)に減少の一途をたどっており、06年は半分以下の330万5,000キロリットルまで縮小した。朝霧社長も「日本の規制が変わって個性的なクラフトビールが登場した反面、国内市場全体としては縮小している。海外でクラフトビールはマーケットが小さいものの、人気は高まっており、シンガポールでも広がる伸びしろはあると考えている」と語った。中長期的には東南アジア各国への進出も視野に入れている。