2009年1月23日金曜日

おがわ仙覚万葉まつり 気分は平安時代

 2009年1月22日(木)埼玉新聞を抜粋編集

 鎌倉時代に日本初の本格的な万葉集解説書「万葉集注釈」を著した仙覚律師をもっと多くの人に知ってもらおうと「おがわ仙覚万葉まつり」が小川町で開かれた。ウオーキングや古代米でつくった万葉粥(かゆ)試食会、小川和紙で作った平安装束の試着会など多彩な催しが行われた。

 万葉集は、大化の改新から古代国家が建設された奈良時代にまとめられた日本最古の歌集。皇族から貴族、僧侶、農民まで広い階層の歌が収められている。仙覚は、比企一族が滅亡した一二〇三年に常陸の国(茨城)で生まれ、母は比企能員(よしかず)の内妻とされている。

 僧侶であった仙覚は、平安時代にはすでに、漢字の音を文字で表す万葉仮名が読めなくなっていた万葉集の研究を十三歳の時から志した。漢字のすぐ脇にカタカナで訓を書き記す手法で一首もあまさず訓点をつけた。その「万葉集注釈」(仙覚抄)を完成した場所が、現在の小川町(麻師宇郷)という。